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イモビライザーって何?仕組みと紛失時の対処法をわかりやすく解説!
皆さんは「イモビライザー」という言葉を聞いたことはありますか?
イモビライザーとは、車両盗難防止システムの一つで、豪州や欧州では広く普及しています。日本でも装備されている車種が増えたものの、実際の仕組みや役割についてはよくわからない方もいるでしょう。
この記事では、イモビライザーの基本的な仕組みや役割やほかの鍵との違い、注意点を解説します。さらに、イモビライザーキーを紛失した際の対処法まで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
イモビライザーの仕組みと役割とは?
イモビライザーとは、車両の盗難を防ぐために搭載された電子システムの一つです。このシステムは、車両本体と鍵の内部に組み込まれた電子的な認証装置であり、車両盗難防止装置としての役割を果たしています。
イモビライザーは、車両の所有者にとって重要なセキュリティ機能となっています。車両の盗難リスクを大幅に低減し、所有者の安心感をもたらしています。今では、多くの自動車メーカーが標準装備としてイモビライザーを採用しており、車両盗難の防止に大いに貢献しています。
ここでは、イモビライザーの仕組みと役割について紹介します。
仕組み|電子的認証装置
イモビライザーには、鍵から送信された固有のIDを車両側のIDと照合する「トランスポンダ」と呼ばれるICチップが内蔵されています。このICチップを介して鍵と車の照合を行うことにより、エンジンが始動する仕組みとなっています。
各車両には固有のIDが設定されており、そのため複製は容易ではありません。イモビライザーは自動車だけでなく、二輪自動車や三輪自動車などにも広く組み込まれています。
役割|車両盗難防止装置
イモビライザーは、車の盗難を防ぎ、安全性を高めるための装置です。
具体的には、物理的なカギだけでなく、電子的なキーの照合が必要となります。正規のカギがなければドアは開くものの、車を運転して逃げることはできません。
イモビライザーの導入により、車の安全性は大いに向上しています。特に盗難のリスクを軽減する役割を果たしています。
イモビライザーは装着の義務化が検討されている
日本国内でイモビライザーの装着義務化が検討されています。
アメリカ・EU諸国をはじめ、中東諸国もイモビライザーの義務化が行われており、普及率はほぼ100%に達しています。一方、日本での普及率はイモビライザーを装着義務化することにより、車両価格の上昇などを理由に約80%に留まっているのが現状です。
装着率から考えて、日本は諸外国と比べて少し遅れていますが、盗難防止の観点からイモビライザーの装着の義務化を検討しています。
イモビライザーキーとほかのキーの違いは?
イモビライザーに搭載された鍵がどのようなものなのかわかりにくい方もいるでしょう。車用の鍵には、以下の3種類が使われています。
- イモビライザーキー
- ワイヤレスキー(リモコンキー)
- スマートキー
それぞれの特徴を解説します。
イモビライザーキー
イモビライザーシステムに特化している鍵です。最大の特徴は、鍵本体にICチップが内蔵されていることです。このチップには、車両固有の暗号コードが記録されており、エンジン始動時に車両側のコンピューターと照合が行われます。
ドアロックの解除・施錠機能があるリモコンキーやスマートキーと組み合わせているものが多く、見た目だけでは通常の鍵と判断できません。
イモビライザーキーは車両購入時に、メインで使えるものと紛失などの緊急用スペアキーが付いてきます。主に使う鍵だけでなく、スペアキーにも情報が入っているので紛失には注意しましょう。
またイモビライザーキーは、グレードの高い車種には標準搭載されていることが多いです。オプションとして後付けすることも可能です。イモビライザーが搭載されているかどうかは、購入先に確認する必要があります。
ワイヤレスキー(リモコンキー)
ワイヤレスキーとは、ドアロックの解錠や施錠をリモコン操作で行える鍵です。ボタンを押すと電波が発信され、車両側の受信機が信号を受け取ってドアの開閉を行います。
エンジンをかけるには、鍵を鍵穴に差し込む必要があります。
スマートキー
スマートキーは、鍵をバッグやポケットに入れたままでも、ドアロック解錠や施錠、エンジン始動が行える鍵です。
スマートキーは、メーカーによって呼び方が異なります。
メーカー名 | スマートキーの名称 |
トヨタ | スマートエントリー&スタートシステム |
スズキ | キーレススタートシステム |
ダイハツ | キーフリーシステム |
車種やグレードにより、標準装備として備わっている場合もあります。
イモビライザーの注意点5つ
イモビライザーは車両盗難防止において非常に効果的ですが、以下5つの注意点があります。
- 完璧な盗難防止システムではない
- 誤作動を起こす
- 合鍵を作れる場所が限られる
- 購入費や維持費が高額になる
- 電池切れで作動しない
それぞれを解説します。
完璧な盗難防止システムではない
イモビライザーは、防犯性の高いシステムですが、すべての犯罪に有効なわけではありません。
以下のような手口によって車両盗難が行われる場合があります。
- イモビカッター
- リレーアタック
- レッカー移動
イモビカッターとは、イモビライザーのセキュリティ機能を無効化するシステムで、通販でも入手可能です。ただしイモビカッターを所有する場合は、自動車関連の業務や鍵専門業者などの正当な理由が求められます。
正当な理由なくイモビカッターを保有していれば、犯罪への荷担が疑われる可能性も高くなるでしょう。
リレーアタックは、電子キーの仕組みを悪用して自動車を盗む手口です。特殊な機械を使用してスマートキーの電波を中継し、ドアロックの解除・エンジンの始動を行います。電波を引き渡していくことからリレーアタックと呼ばれています。
レッカー移動は、レッカー車を使用して強制的にけん引し盗難する方法です。
犯罪を防止するには、デジタル傾斜センサー(チルトセンサー)などの装置を取り付けるほか、管理人やスタッフが常駐している駐車場を選ぶなど複数の対策を組み合わせることがおすすめです。
誤作動を起こす
イモビライザーキーには、誤作動を起こす可能性がある点に注意が必要です。イモビライザーキーは、トランスポンダから発せられる微弱な電波をイモビライザーコントロールユニットが読み取る仕組みですが、この読み取りがうまくいかないと誤作動が起こることがあります。
誤作動が起きやすい状況としては、「バッテリー電圧の低下」「強い電磁波の影響」「ICチップの故障も誤作動」などが原因となります。
もしドアが開かない、エンジンがかからないといったトラブルがある場合は、誤作動の可能性も考えてみるとよいでしょう。
合鍵を作れる場所が限られる
イモビライザーは、その精度の高さから合鍵を作れる場所が限られています。イモビライザーキーが作れるのは、ディーラーやイモビライザー対応の鍵専門店です。
セキュリティ面では利点ですが、ワイヤレスキーやスマートキーのように手軽に作れるわけではありません。「紛失時の対応が限られる」「合鍵が手元に届くまでに時間がかかる」デメリットも理解しておきましょう。
購入費や維持費が高額になる
イモビライザーを搭載した場合の費用は、約50,000円ほどです。
部品は、純正品で20,000円程度が相場です。設置業者によって工事費用が追加される場合もあります。
イモビライザーは、特別なメンテナンスは必要ないとされていますが、修理が必要な場合は、10,000〜50,000円ほど必要となります。
電池切れにより作動しない
鍵の電池が切れている場合は、イモビライザーの機能が全く作動しなくなります。
イモビライザー搭載車をはじめ現在生産されている多くの車種では、鍵の電池残量が少なくなると、以下のようなサインが出ますので注意しましょう。
- 鍵の反応が遅くなってきた
- ドアロックの操作に何度も押す必要がある
- エンジン始動時に認証エラーが発生する
- 鍵のインジケーターランプが暗くなる
上記のようなサインが出たら早めに電池を交換しましょう。
電池切れを防ぐためには、定期的な点検とメンテナンスが重要です。電池交換は自分でも行えます。しかし、鍵を分解する必要があるため不安な方はディーラーや専門店での交換がおすすめです。
イモビライザーキー紛失時の対処法
イモビライザーキーを紛失した場合の対処法は、主に以下の3つです。
- ディーラーに相談する
- イモビライザー対応業者に連絡する
- 警察へ紛失届を提出する
それぞれの対処法について解説しますので、紛失した際は参考にしてください。
ディーラーに相談する
イモビライザーキー紛失時は、購入元のディーラーに相談しましょう。
ディーラーであれば、イモビライザーキーの情報を持っている可能性があるため、新規作成が行えます。また、取り扱うパーツも純正品のため安心です。
ただし、車をディーラーまで移動させる必要がある場合は、レッカー費用などがかかることを覚えておきましょう。
イモビライザーキー対応の業者に依頼する
イモビライザーキーのトラブルを解消してくれる専門業者を見つけておくとよいでしょう。イモビライザーの仕組みに精通している業者であれば、新しい鍵の作成をすぐに行ってもらえたり、ドアを開けてもらえたりしてもらえます。
またサービスへの依頼先としてロードサービスが代表としてあげられます。ロードサービスは、到着予想時刻が定かではありません。交通渋滞や前の依頼の解決に時間がかかることもあり、30〜40分は最低でも待ち続けます。
時間がない場合には鍵屋を選択肢として含め、業者を探しましょう。
警察へ紛失届を提出する
イモビライザーキーの紛失がわかったら、警察署へ紛失届を提出しておきましょう。
万が一、拾得者が電子システムに精通している場合、複製される恐れがあるためです。もし盗まれた車で事故があった場合は、車両の所有者にもその責任が発生する可能性があります。
紛失届を出しておくことで、以下の場合に役立ちます。
- 盗難車両であることが証明できる鍵が見つかった場合の返還手続きがスムーズになる
- 盗難被害時の保険請求に役立つ
鍵の紛失がわかった場合は、すみやかに紛失届を提出しましょう。
まとめ
イモビライザーは車両本体と鍵の両方に電子IDが組み込まれています。2つIDの照合でエンジンが始動する仕組みです。
イモビライザーは、現代の車両には欠かせない盗難防止システムです。しかし、イモビライザーが搭載されているからといって必ずしも盗難にあわないわけではありません。車両の盗難が心配な方は、より防犯性の高い対策を行う必要があるでしょう。
イモビライザーキーを紛失した際は「マルチ救急24」にご相談ください。イモビライザーに対応可能な鍵の専門家が、皆さんのお困りごとを早急に解消できるよう対応いたします。
【Q&A】
- イモビライザーとは何ですか?
車の盗難防止システムです。
- イモビライザーが設置されていると車が盗まれにくいですか?
盗難の防止・抑止につながるシステムですが、イモビカッターやリレーアタックといった手口により盗難される恐れがあります。そのため、「完全に盗まれない」とはいい切れないのが実情です。